3月22日で第9話に入ったTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある」。昭和VS令和の問題提起はまだまだ続いている。平成を挟んでどちらをも生きてきた世代としては、共に一長一短で片方だけに旗を上げにくい。
(全体のあらすじとかはこちらから)
話は、渚(仲里依紗)が社内報のインタビューを受けているところから始まる。働きながら子育てをするワーママとしてコメントを述べているのだが、この内容に妊活女性に対する個人情報流出が含まれていてマタハラにも該当すると後輩社員の杉山(円井わん)に騒ぎ立てられる。彼氏が出来ると妊活を始めるちょっとヤバめの未婚女性を演じる円井わんさんの狂気が引き立っている。妊活ハラスメント問題は大きくなっていき、ついに渚は会社から休職するよう指示される。
一方、何故か昭和に戻って来ているサカエ(吉田羊)は、息子 キヨシ(坂元愛登)の担任 安森(中島歩)のグイグイ来る昭和男感にすっかり翻弄されて綺麗になっていた。いくつになっても恋する女は綺麗になるのだね。しかし、昭和の時代は男も女も”肉食”だなぁとつくづく思う。ひとつ間違えればストーカー行為になり兼ねない危うい積極性さえも恋の魔力になってしまう。昭和って不思議な時代だったんだ。サカエの胸ポケットで受信するスマホの点滅光を見て、「ええ!?・・・カラータイマー??」と驚く安森には笑った。ウルトラマンじゃねーよ。
ムッチ先輩の息子 秋津(磯村勇人 二役)は、詳細な属性モードを取り入れたマッチングアプリにモニター登録していた。そこでマッチした彼女として、矢野恭子(守屋麗奈)登場。櫻坂46のメンバー?だめだ、坂道多すぎてついていけてない。この秋津と恭子、人を好きになったことが無い者同士、属性でマッチして意気投合。お邪魔になった同居人 市郎(阿部サダヲ)は追い出されて、渚と渚の父ゆずる(市郎の娘むこ)の所でお世話になる。八嶋智人(本人役)から贈られたカニで鍋を囲む三人とサカエ、サカエの元夫 井上。昭和を懐かしむ話題から、皆で純子の墓参りに行くことになる。令和で享年28歳の純子は、市郎の娘であり、渚の母であり、ゆずるの妻であり、井上の先輩・・・やっぱり複雑だ。
昭和で、ムッチ先輩は純子にプロポーズしてフラれる。令和では、息子 秋津が属性マッチしたはずの恭子にフラれる。喫茶「SCANDAL」を舞台に二役 磯村勇人は二世代でフラれ、失恋の痛みに嘆く。
今回のミュージカルシーンは、ご近所さんにパワハラ問題で責められる渚をかばう ゆずる(古田新太)が主役だ。ゆずるが「ワンチャン♬」と歌って踊るオマージュは、ブロードウェイミュージカル「コーラスライン」の「ONE」??
タイムマシン事業からスポンサーが撤退し、これまでのように時空を行き来できなくなった。最後の一回?のタイムマシンバスには、純子のいる昭和へと向かう市郎と渚の姿が。来週は最終回。こんがらがったこのドラマをどう締めくくるのか?定められていた市郎と純子の死期は変わることが無いのか?終わってほしくない気持ちと、楽しみで待ち遠しい気持ちがドラマのように交錯しています。
TBS系 金曜ドラマ 不適切にもほどがある! オリジナル・サウンドトラック [ 末廣健一郎、MAYUKO、宗形勇輝 ]
不適切にもほどがある! [ 宮藤 官九郎 ]