TBSの金曜ドラマ「不適切にもほどがある」第6話を見終えた。
今季、1月26日より開始した宮藤官九郎のオリジナル脚本のタイムスリップコメディードラマだ。
主人公の小川市郎(阿部サダヲ)は体育教師。ひょんなことで1986年から2024年にタイムスリップしてしまう。令和でシングルマザーの犬島渚(仲里依紗)と出会い、時空を超えた関係性を築いていく。もう一方の舞台、昭和では娘の小川純子(河合優実)や純子の地元先輩のムッチ先輩(磯村勇斗)らの生活も描かれていく。令和からも向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)が昭和にタイムスリップ。昭和のおやじが令和の時代においても不適切発言を繰り返し、それでも周囲との絆を深めていくストーリー展開は、まさにクドカンワールドです。
TBS系 金曜ドラマ 不適切にもほどがある! オリジナル・サウンドトラック [ 末廣健一郎、MAYUKO、宗形勇輝 ]
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前回、第5話で市郎が恋心(下心?)を抱いた渚が、純子の娘(自分の孫)であることが発覚。ディスコの黒服、犬島ゆずる(昭和で錦戸亮、令和では古田新太)との結婚を反対された純子だが、渚を産み、実家のテーラーを継いだゆずると共に神戸に移住していた。義父市郎にスーツを仕立てたいゆずるは、やっと採寸のために市郎を神戸に呼び寄せ、その夜は和解の酒を酌み交わす。明け方まで飲み明かし、帰路に向かう市郎と送るために同行する純子を見送るゆずる。その日は、1995年1月17日。阪神淡路大震災のあった早朝だった・・・
市郎と純子の親子は、神戸の震災で亡くなってしまうという衝撃展開でした。
クドカン作品では、コミカルな展開の中にも衝撃的な「死」の要素を含ませることが度々あります。
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の物語背景には東日本大震災が描かれ、TBS「俺の家の話」では主人公の寿一(長瀬智也)が最終回、プロレスの引退試合で事故死していたことが明かされていました。
今回の第6話で、市郎は自分の死に対してもだが、若くして亡くなってしまう娘の運命に憤りを感じ葛藤する。いったん昭和に戻った市郎は、タイムマシン化したバスで純子を連れて再び令和に行く。喫茶店で純子と会った渚とゆずる。号泣するゆずるを渚がたしなめる。彼らにとって、純子は亡くなった母であり妻である。令和ではテレビ局でカウンセラーを勤める市郎は、バラエティーのクイズ番組出演も決まって活躍中だが、番組内で昭和おやじ感をいじられ笑われる父親を見て、昭和ヤンキー娘の純子がキレる。「うちのおやじバカにしていいのは、娘の私だけなんだよ!」まだ若く真っすぐな娘の優しさに目を細める市郎。そこから毎度のミュージカルシーンが始まる。今回は歌謡曲「17才」のアレンジだ。ここでのオマージュは南沙織の「17才」か?森高千里カバーの「17才」は1989年リリースだから。純子役の河合優実ちゃんも参加していたが、綺麗な声で歌うまいですね。ところで、昭和でキヨシが訪ねていく同級生Sくんって、何者なんだろう?
次回も楽しみです。
不適切にもほどがある! [ 宮藤 官九郎 ]